5万 VS 4千
さて、今日から新しいブログを試みていきたいと思います。
反響次第では即座に終了ということもあり得るかもしれませんが、
可能な限り続けていきたいと思います。
皆さんが今も見ているかもしれないSNS。
家づくりにおいてもかなり活躍している部分かと思います。
素敵な内容があったり写真があったりと
私も見ているのですが、
その中には・・・ちょっと大丈夫?と思える内容があります。
今日ご紹介させていただく投稿元。
1つは5万人のフォロワーがいらっしゃる。
もう1つは4千人のフォロワー。
私からしたらどちらもすごいですが、
おそらくこの2つを見比べたときは
「5万人の方のアカウントを信用するのではないでしょうか」
さて、どちらが5万人のフォロワーの内容かわかりますか?
内容としては「地震に対する家のあり方」についてです。
1つ目のアカウントで紹介されていたのは、
地震に弱い家についてです。
①壁が少ない。耐震の基本は壁の量、大空間のLDK、吹抜けは注意。
②細長い。真四角に近いほうが地震に強い。
③デコボコしている。
④ピロティのある家。
⑤1回と2階での壁の位置がバラバラ。
⑥タテとヨコで壁のバランスが悪い。
⑦1981年以前の旧耐震基準
上記の7つが文字が画像としてアップされていました。
もう1つのアカウントです。
巨大地震でも壊れない家という形で紹介されていました。
①耐震等級3
②許容応力度計算
③1階と2階の柱の位置が同じ位置
④ピロティにしない
⑤吹抜けは大きくしすぎない
⑥大空間にこだわりすぎない
上記の6個が写真と共に文字の説明書きが加えられてアップされていました。
どちらかがフォロワー5万人で投稿した時のいいねが400を超えている投稿です。
どちらだと思いますか?
答えは前者の地震に弱い家についてアップしていた投稿でした。
おそらく皆さんも5万人の方が見つけやすいと思います。
そしてなんとなく理解したつもりになれるし、
5万人もフォロワーがいるんだから間違いない情報だ!!
そのように感じることでしょう。
ただ、一級建築士の私としても納得できた投稿だったのは
4千人のフォロワーの投稿でした。
5万人のフォロワーの内容は地震に弱いという不安は煽るものの、
どうして弱いのかの具体的な説明がない。
補足するとこうなるかもしれません。
①壁が少ない。耐震の基本は壁の量、大空間のLDK、吹抜けは注意。
これについては「壁の量」だけでは不十分です。
壁ではなく、耐力壁。
構造計算上、構造の壁としてみなされる耐力壁の量とあわせて「質」も大事です。
筋交いだけなのか。構造パネルをつかうのか。ダンパーがあるのかなど、
量と質が大事。
②細長い。真四角に近いほうが地震に強い。
③デコボコしている。
この2つについてはなにをもってデコボコや細長いというか。
デコボコや細長いと何が不利かというと、
耐力壁のバランスがとりにくいという部分で⑥と同じ・・・
なにをタテヨコというのかもちょっとわからなかったですが、
平面的に見てX方向とY方向に耐力壁を配置するのが難しいという内容になります。
これについては偏心率を計算するかどうか。
偏心率を0.3以下にするのか0.15以下としたいのか。
これでもバランスの良し悪しはかわってきます。
④ピロティのある家。
これは両者ともにですね。
ピロティがNGというよりは、構造計算上も2階建て以上の建物だと
1階に耐力壁を多く配置しなければならなくなります。
この点からみても1階にピロティを作るというのは
耐震設計上は不利になるというのが前提となります。
⑤1回と2階での壁の位置がバラバラ。
これについては法律に規定がない部分ではありますが、
熊本地震時に業界でもかなり話にあがった「柱の直下率」や「壁の直下率」
という部分の内容になります。
法律に規定がない以上、建築士の判断にもなります。
目安として50%以上が良いということも言われます。
⑥タテとヨコで壁のバランスが悪い。
これは②と③の内容が同じですね。
⑦1981年以前の旧耐震基準
新築においては考える必要がないですが、
中古住宅を購入する際には注意が必要というぐらいでしょうか。
なぜ私が4千人の方がよいと判断したかというと、
具体性があるからです。
耐震等級3、許容応力度計算、柱の位置が同じという部分。
あわせて、吹抜けは大きくしすぎないや大開口にこだわりすぎないという部分にも
補足説明や許容応力度計算を勧めるような文字がありました。
巨大地震でも壊れない・・・という文言だけ・・・
倒壊しないという点が正しいかもしれませんが。
ここまでいくと細かい内容すぎるのでSNSでは嫌われてしまいそうですね・・・
YAMATOの家でも同じように、
柱の直下率を60%を社内規定にしているとか、
許容応力度計算による耐震等級3を取得しているとか、
許容応力度計算をもとに吹き抜けや大開口も設計されているとか。
デコボコしている家もあるけど、
許容応力度計算のなかで偏心率についても計算されているなど、
見学会時にもポップなどを用いて説明させていただいてます。
地震のことについては、まだまだいろんなアカウントで投稿されているかと思います。
その時にその投稿がどういったないようを伝えたいのか。
そのためにはどのような家の構造が必要なのか。
そこまで把握できるかどうかを
フォロワーだけではなく、内容を見てみるといいかと思います。
このような感じで毎週日曜日に皆さんがSNSを見ているぐらいのタイミングで
アップできたらと思いますので少しの間お付き合いよろしくお願いします。
、YAMATOの家 峯田
一級建築士事務所 YAMATOの家
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YAMATOの家 公式 Houzz
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2022/04/03