古美る
先日の峯田さんのブログ「どう感じるか」を読んで、
建築哲学の授業で聞いた経年変化の話を思い出しました。
新しい物が古くなったときにどうなるか。
・「綺麗」→「汚い」
ではなく
・「美しい」→「古美る(ふるびる)」
ものを目指しなさい、と。
使い込んで古くなったものこそ、味があり美しいという考え方。
侘び・さびにも通じる概念だと思います。
現代は安いものを高級に見せることが上手くなっている。
本当に高級(上質)なものが何かわからなくなっている。
確かにその通りだと思います。
家づくりにしても、無垢と見た目がほぼ変わらない合板フローリング。
プリント技術の向上により、パッと見ただけでは
本物かどうかわからないものもあります。
確かに合板フローリングはキズや汚れに強いですが、
表面は木目を印刷したシートなどが貼られているため、
キズがついた場合違う色の下地が見えて目立ってしまいます。
一方無垢だと、キズがついた場合ワックスを塗ったり
アイロンをあてて木を膨らませることで傷を目立ちにくくすることができます。
また、使い込んでいくことで独特の艶や風合いが出てきます。
耐久性をとるか、自分でのお手入れをとるかは
環境にもよりますし、人それぞれだと思います。
ただ、10年20年経ったときに経年変化した家に愛着が持てるかどうか。
時が経つほど住むほどに、味わい深い古美た家になるかどうか。
そんな観点から家づくりを考えてみても面白いと思います。
事務所にある、無垢のサンプルの数々。
一つとして同じ目の模様がなく、見ていて飽きません。
2018/03/21